第1回:危険物ってなに? ― 6つの類と指定数量が、すべての土台

危険物
危険物の定義と分類 危険物第1回 消防昇任試験対策

危険物の分野は、「第4類第2石油類(非水溶性)1,000L」のように数字と用語がびっしり並んでいて、最初のページで手が止まってしまう方が多い分野です。

でも、この分野が聞いていることは、実はたった2つに絞れます。「その物は、どんな危ないものか(何類か)」と「どれだけの量から、法律の規制が始まるか(指定数量)」。この2つです。

第1回は、この2本の柱を、順番にゆっくり組み立てていきます。ここを固めておくと、次回以降に出てくる保安距離・保有空地・各種の手続が、すべて「この土台の上の話」として読めるようになります。

0

そもそも「危険物」ってなに?

📜 消防法第2条第7項

「この法律において『危険物』とは、別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。」

つまり、消防法でいう危険物とは、「なんとなく危なそうなもの」という意味ではありません。

別表第一という一覧表に名前が載っていて(品名)、かつ、その表が定める性質を実際にもっているもの(性状)。この2つがそろって、はじめて消防法上の危険物になります。

言いかえると、危険物かどうかは法律の表で決まっているということ。感覚で決めるものではありません。

そしてもう一つ、この分野全体を通して効いてくる、とても大事な前提があります。

危険物は、常温・常圧で「固体」または「液体」だけ。気体は入りません。

ガソリン(液体)は危険物ですが、家庭用のプロパンガス(気体)は消防法上の危険物ではありません。プロパンなどの可燃性ガスは高圧ガス保安法、火薬は火薬類取締法という、別の法律が受けもっています。

  • 危険物=別表第一の品名+表が定める性状、の2つがそろったもの
  • 危険物は固体か液体だけ。気体は消防法上の危険物ではない
消防法の門を固体の袋と液体のポリタンクが通り抜け、気体のガスボンベは止められて高圧ガス保安法の門へ向かう図
消防法の門をくぐれるのは、固体と液体だけ
ここ注意

「危険物には気体も含まれる」はまちがいです。固体または液体に限られます。

1

6つの類 ― 「自分が燃える/他を燃やす」×「固体/液体」

危険物は、第1類から第6類までの6つに分けられています。名前を丸暗記しようとすると必ず混ざりますが、2つの軸で整理すると、一気に見通しがよくなります。

その2軸とは、「固体か、液体か」と、「自分が燃えるのか、他のものを燃やすのか」です。

まず、意外に思われるところから。第1類と第6類は、それ自体は燃えません(不燃)。ではなぜ危険なのかというと、酸素を出して、まわりのものを激しく燃やしてしまうからです。これを「酸化性(さんかせい)」といいます。

この「自分は燃えないが、他を燃やす」仲間のうち、固体が第1類(酸化性固体)液体が第6類(酸化性液体)。この2つはペアで覚えます。

同じ発想で、自分が燃えるものを見ると、固体が第2類(可燃性固体)液体が第4類(引火性液体)。ここもペアです。

固体か液体か、自分が燃えるか他を燃やすかの2軸の棚に第1類から第6類を仕分けた図
2軸のマス目に入れると、4つはきれいに収まる

残った第3類と第5類は、この2軸から少しはみ出す「特殊な危険」をもつグループです。

  • 第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)…空気に触れると勝手に発火したり、水に触れると激しく反応したりする。金属カリウム、ナトリウムなど
  • 第5類(自己反応性物質)分子の中に自分で酸素をかかえているため、外から酸素をもらわなくても自分で燃える。有機過酸化物、硝酸エステル類など

第5類は、たとえるなら「酸素ボンベを背負ったまま燃える」ようなもの。だから、まわりの空気を断つ窒息消火が効きにくいわけです。

毛布で空気を断つと消えるふつうの燃焼と、酸素ボンベを背負って毛布をかけても燃え続ける第5類の対比図
第5類は自分で酸素を持っているので、空気を断っても消えにくい

6類の早見表

性質の名前状態代表的なもの
第1類酸化性固体固体塩素酸塩類、硝酸塩類
第2類可燃性固体固体硫黄、赤りん、金属粉
第3類自然発火性物質及び禁水性物質固体・液体金属カリウム、ナトリウム
第4類引火性液体液体ガソリン、灯油、軽油、重油
第5類自己反応性物質固体・液体有機過酸化物、硝酸エステル類
第6類酸化性液体液体過塩素酸、過酸化水素、硝酸

ザックリ覚え方:不燃なのに危険なのは、第1類(固体)と第6類(液体)だけ。この2つさえ押さえれば、残りは「燃えるもの」と割り切れます。

ここ注意

「第1類は可燃性固体である」はまちがい(第1類は酸化性固体、可燃性固体は第2類)。「第6類は引火性液体である」もまちがい(第6類は酸化性液体、引火性液体は第4類)。「酸化性」と「可燃性・引火性」の入れかえが、いちばんまぎらわしいところです。

2

確認試験 ― 「何類か」を見分ける検査

ある物が危険物にあたるのか、あたるならどの類なのか。これは、担当者の感覚ではなく、危険物の規制に関する政令(危政令)第1条の3〜第1条の8に定められた試験で判定します。

ここでの要点は、試験の「名前」と、「何を測る試験なのか」を正しくセットにすることです。名前だけ覚えて中身を取りちがえると、そのまま失点につながります。

検査室の作業台に鉄球を落とす装置・ガスバーナー・ろ紙の皿・密閉カップ・測定装置が並び、それぞれに第1類から第5類の札がついた図
類ごとに、使う道具も測るものも違う
試験何を測るか
第1類燃焼試験標準物質+木粉と、試験物品+木粉の燃焼時間を比較
第1類落球式打撃感度試験打撃に対する敏感さ
第2類小ガス炎着火試験火炎を接触させてから着火するまでの時間
第3類自然発火性試験固体はろ紙上、液体は磁器中で発火するか
第3類水との反応性試験水と接触したときの発生ガス・発火
第4類引火点測定試験引火点(タグ密閉式引火点測定器等を使用)
第5類熱分析試験標準物質と試験物品の発熱開始温度及び発熱量を比較
第6類燃焼時間を測定する試験酸化力の潜在的な危険性

覚え方は、試験名のキーワードから類を引き当てるのが近道です。

  • 「打撃」「燃焼」→ 第1類
  • 「小ガス炎・着火」→ 第2類
  • 「自然発火」→ 第3類
  • 「引火点」→ 第4類
  • 「熱分析」→ 第5類
  • 「(酸化性液体の)燃焼時間」→ 第6類
ここ注意

ここでまぎらわしいのは、似た漢字のすりかえです。「熱分析試験は発火点を測定する」はまちがいで、正しくは発熱開始温度及び発熱量を比較する試験(危政令第1条の7)。「小ガス炎着火試験は燃焼が停止するまでの時間を測定する」もまちがいで、正しくは着火するまでの時間。「第6類 ― 落球式打撃感度試験」もまちがいで、落球式打撃感度試験は第1類に使います。「タグ密閉式発火点測定器」もまちがいで、タグ密閉式は引火点の測定器です。「発火点」「発熱開始温度」「引火点」は、一字ずつ読むくらいの気持ちで確認しましょう。

3

指定数量 ― 規制が始まる「境界線」

📜 消防法第9条の4(抜粋)

「危険物についてその危険性を勘案して政令で定める数量(以下『指定数量』という。)……」

つまり指定数量とは、「ここから先は、消防法のきびしい規制の世界に入りますよ」という境界線の量のことです。

同じガソリンでも、車のタンクに入っている数十リットルと、スタンドの地下タンクに入っている何千リットルとでは、火災になったときの危険がまるでちがいます。そこで、品名ごとに「これ以上なら規制の対象」という量を政令で決めているわけです。

地面に引かれた赤い線の手前はドラム缶が数本の空き地、向こう側はフェンスに囲まれた許可施設という図
この線をまたぐと、許可を受けた施設の世界に入る

ここで、大事な関係が一つあります。

指定数量が大きい品名ほど、規制の対象になりにくい=相対的に危険性が低い。

つまり、燃えやすい(引火点が低い)ものほど指定数量は小さく、燃えにくいものほど指定数量は大きくなります。数字の並びには、ちゃんと意味があるということです。

第4類(引火性液体)の指定数量

品名指定数量代表的なもの
特殊引火物50Lジエチルエーテル、二硫化炭素
第1石油類(非水溶性)200Lガソリン
第1石油類(水溶性)400Lアセトン
アルコール類400Lメタノール、エタノール
第2石油類(非水溶性)1,000L灯油、軽油
第2石油類(水溶性)2,000L酢酸
第3石油類(非水溶性)2,000L重油
第3石油類(水溶性)4,000Lグリセリン
第4石油類6,000Lギヤー油、シリンダー油
動植物油類10,000Lなたね油

数が多く見えますが、覚えるコツは2つです。

コツ①:2倍ルール

第1石油類から第3石油類までは、水溶性が非水溶性のちょうど2倍になっています。

なぜかというと、水に溶けるものは火災のときに水で薄めて消しやすく、そのぶん相対的に危険性が低いと評価されるからです。ですから、非水溶性さえ覚えれば、水溶性は2倍するだけで足ります。

非水溶性の並びは、200 → 1,000 → 2,000。そのあと第4石油類6,000、動植物油類10,000と続きます。

非水溶性は水をかけても油が浮いて燃え続け計量カップ1つ、水溶性は水で薄まって炎が小さくなり計量カップ2つという対比図
水で薄めて消しやすいぶん、水溶性は数量が2倍になる

コツ②:身近な品物とセットで覚える

  • ガソリン 200L
  • 灯油・軽油 1,000L
  • 重油 2,000L

この3つは日常でも耳にする品名です。これにアルコール類400L特殊引火物50Lを足せば、第4類の主要な数値はほぼ埋まります。なお、アルコール類と特殊引火物には、水溶性・非水溶性の区別がありません。単独で覚えます。

ここ注意

数値のすりかえがよく起こる場所です。第1石油類(非水溶性)は200L(100Lではない)、第2石油類(非水溶性)は1,000L(500Lではない)、第3石油類は非水溶性2,000L/水溶性4,000L(水溶性2,000Lは誤り)、第4石油類は6,000L(4,000Lではない)、動植物油類は10,000L(5,000Lではない)です。

📋 参考:全6類の指定数量 早見表をひらく

本文では出題の中心である第4類を扱いましたが、他の類の数量もここにまとめておきます。第1類・第3類・第5類の指定数量は、品名ではなく第1種・第2種といった性質区分によって決まる点に注意してください。

品名・性質区分指定数量代表的なもの
第1類第1種酸化性固体50kg塩素酸カリウム、過塩素酸カリウム、過酸化ナトリウム
第1類第2種酸化性固体300kg硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、臭素酸カリウム、よう素酸カリウム
第1類第3種酸化性固体1,000kg過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム
第2類硫化りん・赤りん・硫黄100kg三硫化四りん、赤りん、硫黄
第2類第1種可燃性固体100kg
第2類鉄粉500kg鉄粉
第2類第2種可燃性固体500kgアルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウム
第2類引火性固体1,000kg固形アルコール、ゴムのり、ラッカーパテ
第3類カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム10kgカリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム
第3類黄りん20kg黄りん
第3類第2種自然発火性物質及び禁水性物質50kgリチウム、カルシウム、ジエチル亜鉛
第3類第3種自然発火性物質及び禁水性物質300kg水素化ナトリウム、りん化カルシウム、炭化カルシウム
第4類特殊引火物50Lジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトアルデヒド、酸化プロピレン
第4類第1石油類(非水溶性液体)200Lガソリン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル
第4類第1石油類(水溶性液体)400Lアセトン、ピリジン
第4類アルコール類400Lメタノール、エタノール
第4類第2石油類(非水溶性液体)1,000L灯油、軽油、キシレン、クロロベンゼン
第4類第2石油類(水溶性液体)2,000L酢酸、アクリル酸、プロピオン酸
第4類第3石油類(非水溶性液体)2,000L重油、クレオソート油、ニトロベンゼン、アニリン
第4類第3石油類(水溶性液体)4,000Lグリセリン、エチレングリコール
第4類第4石油類6,000Lギヤー油、シリンダー油、タービン油
第4類動植物油類10,000Lなたね油、あまに油、やし油
第5類第1種自己反応性物質10kg過酸化ベンゾイル、ニトログリセリン、ニトロセルロース
第5類第2種自己反応性物質100kgピクリン酸、トリニトロトルエン、アゾビスイソブチロニトリル
第6類過塩素酸・過酸化水素・硝酸・ハロゲン間化合物300kg過塩素酸、過酸化水素、硝酸

出典:危険物の規制に関する政令 別表第3

4

倍数計算と、仮貯蔵・仮取扱い

倍数の計算 ― 何種類あっても「割って、足す」

現場では、灯油だけ、ガソリンだけ、ということはまずありません。何種類もの危険物が同じ場所にあります。では、そういうときはどう数えるのでしょうか。

📜 消防法第10条第2項(要旨)

「品名又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵し、又は取り扱う場合において、それぞれの危険物の数量を当該危険物の指定数量で除し、その商の和が一以上となるときは、当該場所は、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つているものとみなす。」

つまり、やることはとてもシンプルです。

  1. 品名ごとに、「実際の数量 ÷ その品名の指定数量」を計算する
  2. その答えを全部たす
  3. 合計が1以上なら、「指定数量以上」の扱いになる

この合計値を「指定数量の倍数」といいます。

たとえば、灯油500L・軽油500L・重油1,000Lを同じ場所で扱っている場合。

  • 灯油 500 ÷ 1,000 = 0.5
  • 軽油 500 ÷ 1,000 = 0.5
  • 重油 1,000 ÷ 2,000 = 0.5

合計は1.5倍。1以上なので、この場所は「指定数量以上の危険物を扱っている」とみなされます。

灯油・軽油・重油の3つのコップが同じ高さまで入り、矢印がはかりに集まって針が1を少し超えている図
それぞれを指定数量で割って足す。1をこえたら規制の対象

計算そのものは小学校の割り算です。ただし、指定数量の数値が頭に入っていないと1問も解けません。セクション3が実戦で効いてくるのは、まさにここです。

ここ注意

「倍数の計算では、水溶性液体は非水溶性液体の半分の指定数量で計算する」はまちがい。水溶性は非水溶性の2倍です。ここは逆に覚えてしまいやすいので、「水に溶ける方が消しやすい → だから大きい数字」と理由ごと押さえましょう。

仮貯蔵・仮取扱い ― 「10日・消防長/署長・承認」

指定数量以上の危険物は、原則として、許可を受けた製造所・貯蔵所・取扱所(まとめて「製造所等」)でしか扱えません。

とはいえ、工事や災害対応などで、一時的にどうしても別の場所で扱いたいという場面はあります。そのための出口が「仮貯蔵・仮取扱い」です。

📜 消防法第10条第1項ただし書

「ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。」

つまり、覚えることは3点セットです。

  • 10日以内(30日ではない)
  • 相手は消防長または消防署長(市町村長等ではない)
  • 種別は承認(許可でも届出でもない)
消防署の窓口で承認の書類と10日のカレンダーを受け取る様子と、市役所の窓口で許可の書類にハンコが押される様子の対比図
仮貯蔵は消防署の「承認」、設置・変更は市役所の「許可」

ここが要注意なのは、危険物の手続には相手方も種別もちがうものが並んでいるからです。組み合わせをすりかえた選択肢が定番なので、表の形でまるごと固定してしまうのが確実です。

手続の早見表

行為相手方種別
仮貯蔵・仮取扱い(10日以内)消防長または消防署長承認
製造所等の設置、位置・構造・設備の変更市町村長等許可
工事中の仮使用市町村長等承認
品名・数量・倍数の変更市町村長等届出(10日前まで)
用途の廃止市町村長等届出(遅滞なく)

ところで、表に出てくる「市町村長等」という言葉。聞き慣れないと思いますが、これは3人をまとめた呼び名で、施設がどこにあるかによって中身が変わります(消防法第11条第1項)。

  • 消防本部と消防署がある市町村の区域 → その市町村長
  • 消防本部と消防署がない市町村の区域 → その区域を管轄する都道府県知事
  • 2つ以上の都道府県にまたがって設置される移送取扱所 → 総務大臣

つまり「市町村長等」の「」には、都道府県知事と総務大臣も入っています。自前の消防本部・消防署を持たない小さな町村では、市町村長ではなく知事が許可を出す、という整理です。

関係が広がるほど、判断する人も上の立場になっていく、と考えると自然に覚えられます。

ここ注意

「仮貯蔵・仮取扱いは市町村長の許可」はまちがい(消防長または消防署長の承認)。「期間は30日以内」もまちがい10日以内)。なお「都道府県知事は危険物の施設の手続には出てこない」と覚えるのもまちがいです。知事は市町村長等の一員で、消防本部・消防署のない市町村では設置の許可などを出す立場になります。仮貯蔵・仮取扱いの相手方ではない、というのが正確な整理です。

★ ここだけ覚えればOK ★
危険物 第1回の3ポイント
不燃なのに危険は1類と6類

→ 固体が第1類、液体が第6類。残りは「燃えるもの」。気体は危険物ではない

非水溶性を覚えて2倍する

→ 200/1,000/2,000+第4石油類6,000・動植物油類10,000。水溶性はその2倍

仮貯蔵は10日・消防長署長・承認

→ 設置・変更の許可は市町村長等。相手方と種別のセットで覚える

まとめ

危険物の分野は、暗記量が多そうに見えますが、第1回で扱ったことは、冒頭でお伝えした2本の柱にすべてぶら下がっています。

柱①その物は、どんな危ないものか(何類か)

  • 危険物=別表第一の品名+所定の性状。固体か液体だけで、気体は含まない
  • 6類は「固体/液体」×「自分が燃える/他を燃やす」の2軸で整理できる
  • 確認試験は、名前だけでなく「何を測るか」までセットで覚える

柱②どれだけの量から、法律の規制が始まるか(指定数量)

  • 指定数量は「規制が始まる境界線」。非水溶性を覚えて、水溶性は2倍
  • 倍数は「割って、足して、1以上か」
  • 仮貯蔵は「10日・消防長署長・承認」。設置の許可を出す市町村長等には知事も含まれる

次回以降に出てくる保安距離、保有空地、各種の手続は、すべて「この場所は指定数量の何倍か」から話が始まります。ここを固めておくと、後の章がぐっと理解しやすくなります。

📝 CHECK

確認問題(全5問)

問 1

次は、消防法上の危険物について述べたものであるが、妥当でないものはどれか。

  1. 危険物とは、消防法別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。
  2. 危険物は、常温・常圧において固体又は液体であり、気体は含まれない。
  3. 第1類は酸化性固体であり、第6類は酸化性液体である。
  4. 第4類は引火性液体である。
  5. プロパン等の可燃性ガスも、消防法上の危険物に含まれる。
💡 ヒント

危険物は「どんな状態のもの」に限られていたかを思い出してください。門の絵で、止められていたのは何だったでしょうか。

✅ 正解と解説を見る

正解:E

危険物は固体又は液体に限られ、気体は含まれません。プロパン等の可燃性ガスは高圧ガス保安法の所管であり、消防法上の危険物ではありません。

問 2

次は、危険物の類別とその性状の組合せについて述べたものであるが、誤っているものはどれか。

  1. 第1類 ― 酸化性固体
  2. 第2類 ― 可燃性固体
  3. 第3類 ― 自然発火性物質及び禁水性物質
  4. 第5類 ― 酸化性液体
  5. 第6類 ― 酸化性液体
💡 ヒント

2軸の棚の絵で、棚からはみ出した小箱に入っていたのは何類だったでしょうか。分子の中に酸素をかかえていた方です。

✅ 正解と解説を見る

正解:D

第5類は自己反応性物質です。酸化性液体は第6類であり、酸化性液体が2つ並ぶことはありません。

問 3

次は、危険物の確認試験について述べたものであるが、誤っているものはどれか。

  1. 燃焼試験は、第1類(酸化性固体)の判定に用いられる。
  2. 熱分析試験は、発火点を測定する試験である。
  3. 小ガス炎着火試験は、試験物品に火炎を接触させてから着火するまでの時間を測定する。
  4. 熱分析試験は、標準物質と試験物品の発熱開始温度及び発熱量を比較するものである。
  5. 引火点の測定には、タグ密閉式引火点測定器等が用いられる。
💡 ヒント

同じ試験について述べた選択肢が2つ並んでいます。両方が正しいということはありません。

✅ 正解と解説を見る

正解:B

熱分析試験は、発火点ではなく発熱開始温度及び発熱量を比較する試験です(危政令第1条の7)。「発火点」と「発熱開始温度」のすりかえに注意します。

問 4

次は、第4類危険物の品名と指定数量の組合せについて述べたものであるが、正しいものはどれか。

  1. 第1石油類(非水溶性液体) ― 100L
  2. 第2石油類(非水溶性液体) ― 500L
  3. アルコール類 ― 400L
  4. 第3石油類(水溶性液体) ― 2,000L
  5. 第4石油類 ― 4,000L
💡 ヒント

非水溶性の並びは「200 → 1,000 → 2,000」でした。水溶性はその何倍だったでしょうか。

✅ 正解と解説を見る

正解:C

アルコール類は400Lです。第1石油類(非水溶性)は200L、第2石油類(非水溶性)は1,000L、第3石油類(水溶性)は4,000L(非水溶性が2,000L)、第4石油類は6,000Lです。

問 5

次は、指定数量の倍数及び仮貯蔵・仮取扱いについて述べたものであるが、妥当でないものはどれか。

  1. 倍数の計算においては、水溶性液体は非水溶性液体の半分の指定数量を用いる。
  2. 指定数量の倍数は、品名ごとの数量をそれぞれの指定数量で除した商を合計して求める。
  3. 倍数が1以上となるときは、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っているものとみなされる。
  4. 灯油と軽油を同一の場所で取り扱う場合、それぞれの数量を1,000Lで除して合計する。
  5. 指定数量以上の危険物を10日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、所轄消防長又は消防署長の承認を受けなければならない。
💡 ヒント

水に溶けるものは、火災のときに水で薄めて消しやすいという性質がありました。だとすると、指定数量は大きくなるでしょうか、小さくなるでしょうか。

✅ 正解と解説を見る

正解:A

水溶性液体の指定数量は、非水溶性液体の2倍であり、半分ではありません。第1石油類は非水溶性200Lに対し水溶性400L、第2石油類は非水溶性1,000Lに対し水溶性2,000Lとなります。

シリーズ第1回 第2回:近日公開予定

コメント

タイトルとURLをコピーしました